NOVEL
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- キスから始まる束縛
ヒノエ×望美
小さな声と、それを上回る高さで響く濡れた音。
口づけの合間に囁かれる睦言は甘く、その吐息すら望美の心拍音を上げていく。思わず身じろげば、下腹部を探る彼の指が思いもよらない場所を刺激して、高い嬌声が漏れてしまう。普段の自分とは違う色合いの声に、望美の頬がじわりと赤みを増していく。
「……可愛い声だね、姫君」
満足そうにヒノエは笑い、その器用な指で望美を追い詰めていく。反対側の手は、彼女の豊かな胸元を下着の上から弄んでいて、布越しのじれったい刺激に、びくびくと身体が震えてしまう。すると再び彼の指が――と、永遠の連鎖が続いていくのだ。太股に時折触れる彼の熱の存在も、望美の羞恥と劣情を煽っていく。
「や、あ……ん、だめッ」
「嫌じゃないだろ? 久しぶりなんだから、もっと聞かせて」
ヒノエのねだり声は、再び合わさった唇の中へと閉ざされて消える。
絡む舌から伝わる唾液をこくりと飲み下せば、相手の熱がダイレクトに伝わってくる。奥深い場所から生まれる欲求に、望美はヒノエの上着をぎゅっと握り締めた。
『昨日テレビでやってたんだけどさー』
不意に、望美の脳裏にクラスメイトの声がフラッシュバックする。
『男の人の唾液に含まれるナントカって成分が、女の子をエッチな気分にさせるんだって』
科学的な論拠なんか知らないけれど、この人のキスに逆らえないのは――望美の中で、確かな現実。
「ねぇ、望美……いいだろ?」
耳朶に注ぎ込まれる甘い声は、ひたひたと望美の身体を侵食していく。
許しを請う言葉へ視線だけで頷き返せば、散々に愛撫を施された場所へと熱い楔が穿たれる。
まるで体内の水分全てが、彼の抱える海に還りたがっているかのようだ。全身を使ってしがみつき、身体の芯を貫くものに揺さぶられる時間は、物理的な繋がり以上に心地よい安堵に包まれる感じがする。
触れ合う肌から交わる熱が、次第に等しい温度へと変わっていく。汗で滑る手で必死にしがみつけば、熱に浮かされた紅の瞳に、獰猛な笑みが一瞬だけ浮かんだ。仄暗い焔を宿す視線に、彼を受け入れている場所に熱が集中していく。
いつも優しすぎるほどに優しい彼が、感情を顕わにする瞬間は、いつだって望美を酩酊へ突き落とす。
「ヒノ、エ…くん……ッ」
名を呼ぶ声も、次第に喘ぐ響きに縁取られ、意味のない音へと変わる。
こうやって、少しずつ作り変えられていくのだろう。
――彼だけを欲しがる、自分に。
||| あとがき |||
元ネタは以前Twitterでみた文章です。
文中では適当に濁しましたが、テストステロンという成分の事です。通称「モテフェロモン」と呼ばれ、女性を本能的にひきつける成分なのだそうな。
『浮気ホルモン』とも呼ばれます、という文章を見た瞬間、思わずふきだしてしまったよ…。
いや、望美を手に入れたヒノエは、浮気とか絶対しないですけどね! なんとなくですよ。なんとなく。