もう祈る資格すらないのに

2009.11.04
大団円ED(または、迷宮ED)後の現代鎌倉で、やや捏造気味な散文

- 弁慶×望美


 君の名を呼んだ直後、僕は言葉を失う。

 愛する君に伝えたい言葉はなんだったのか。
 既に覚悟は決めたはずなのに、何故躊躇うのか。

 傍にいて欲しいという、ひたすらな願い。
 共に生きて欲しいという、祈りに似た気持ち。
 誰にも渡したくない、そんな飢える思い。
 君をすべて自分のものにしたいという、口に出せない欲望。 

 どれも正しくて、どれも自分の心を言い表せない。

 ああ、どの面を下げて源氏の軍師だと名乗るのだ。
 大事な時ほど、口にするべき言葉を選べないでいる、愚かな自分。

 握り締めた拳には、既に八葉の宝玉は無く、君と僕を繋ぐ証は何も無い。
 ただあるのは、胸に刻まれた記憶と、君を恋うる想いだけ。

「なんですか?」

 向けられる君の視線が眩しくて、それでも僕はまっすぐに見つめ返す。
 柔らかな翡翠の瞳に映るのは、いつも僕でありたいと願う。
 この身も心も全て君に捧げるから、どうか。

 ――そして、希う言葉を口にする。

「どうか僕の」

 たったひとつ、譲れない運命を抱きしめるまで、あともう少し。


- END -

 

||| あとがき |||

すごく消してしまいたい1本です…orz なんか改めて読むと恥ずかしいね!


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